食品の安全を守るためには、まず適切な方法で温度管理を行う必要があります。温度管理を怠ると、細菌やウイルスが繁殖して食中毒を引き起こすので注意しなければなりません。食中毒を引き起こす細菌やウイルスにはサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌、ノロウイルスなどがあります。これらが感染した食品を食べると吐き気や腹痛、下痢などの症状を引き起こします。

腸管出血性大腸菌にはO111やO157があり、感染した食品を食べた場合には激しい腹痛や血の混じった下痢などの症状が現れます。この細菌による食中毒は症状が重い場合には命を落とす可能性があるので注意しなければなりません。細菌やウイルスは基本的に熱に弱いため、HACCPに基づいた適切な温度管理を行えば被害を防ぐことができます。HACCPはハサップやハセップと呼ばれる衛生管理手法で、全工程を細分化して危害要因の分析に基づくリスク管理を行います。

加熱や冷却など健康被害の減少につながる工程は重要管理点とされ、厳格な基準に従って連続的かつ継続的な監視と記録が行われます。細菌には黄色ブドウ球菌のような熱に強い毒素を作るものもありますが、この手法を導入すれば危害要因ごとに適切なリスク管理が行われるので安心です。HACCPを導入して全ての工程と製品を対象とした温度管理を行えば、細菌やウイルスの繁殖を防ぐことができます。製品の品質を向上させるには、一部ではなく全ての工程と製品を対象としたリスク管理を行うことが大切です。