温度管理は温度計を設置して目視で確認するやり方から、機械化して自動で温度をコントロールする方法まであります。一般家庭における温度管理は、1部屋に1個温度計を設置して、室温を確認したり冷暖房の判断に用いる形となります。室温が変化してから対応することになるので、厳密な温度管理には向きませんし、範囲から少しでも温度が外れる状況が許されないケースには不可能です。例えば温度変化に敏感な動物を飼っている場合において、常に温度の変化をチェックすることができないやり方は不向きです。

理想的なのはある程度機械に任せて、設定温度になったら冷暖房器具の電源を入れたり切るという設定で運用するやり方です。厳密な温度管理が求められる分野では、高精度の温度計と合わせて、外気温の影響を受けにくい断熱容器がセットで用いられます。これは食品分野でもそうですし、医薬品の保管や運搬においても同様に行われている方法です。意外かもしれませんが、半導体の電子機器も厳密な温度管理がされることが多く、信頼性の確保と維持の為に手間とコストが掛けられています。

半導体にも管理が必要な理由は、温度変化によって製品の表面に結露が生じたり、結露によって信頼に関わる酸化物が発生する恐れがあることです。食品は冷蔵だと一度常温になっただけで品質の低下が疑われますし、冷凍は味だけでなく食感も変わってしまうわけですが、半導体もこれらと同様に性質が変わり信頼性が低下するので想定されない温度変化は禁物です。