温度管理は目的を理解して正しく取り組むことが大事ですが、その前に覚えておくべき基本となるポイントがあります。鮮度を保つ目的の温度管理は、保管だけでなく搬入から一貫した、連続性のある管理体制が不可欠です。一定の温度を保つ必要があるにも関わらず、温度計の設置や管理が保管場所のみだと、荷下ろしや搬入待ちの状況で許されない温度変化が発生する恐れがあるのが理由です。どこまで変化が許容されるかはケースバイケースですが、品質が劣化しやすくデリケートなものについては、僅かな変化も許容できないはずです。

温度管理では、管理から外れる空白を作ってしまうのがNGなので、荷下ろし作業中も搬入の状況でも、常に監視できる体制で運用するのが望ましいです。温度管理は、いくら急速に冷却できて一定の温度に保てる冷蔵庫や冷凍庫でも、開閉の際の変化を免れることはできないです。食品工場だと、生鮮食品は15℃以下で食肉は10℃以下、生鮮魚介類は5℃以下といった基準があります。つまり食品に合わせて、5℃単位で温度が異なる温度管理が必要になるわけですから、一定以下の温度を保ちつつ、誤差が5℃を超えない正確な管理が求められます。

高度な管理が必要な環境において、不必要な開閉は望ましくありませんし、開閉を繰り返す度に劣化が進むという自覚が欠かせませんから、運用体制を含めてしっかりとマニュアル化することが大事です。結局のところ、担当者の意識と姿勢が不足していては台無しになるので、重要性を理解する教育も必要だと思われます。